不動産屋で賃貸住宅の広告を見ていると、広告の隅に「AD100」や「AD200」と記載されていることがあります。そのような物件は「AD物件」と呼ばれており、ADと記載のない物件とは明確な違いがありますので、紹介していきたいと思います。
AD物件とは
AD物件のADとは、英語の「advertisement」の略で、オーナー(大家)が仲介会社へ物件募集を依頼する際に支払う広告費のことを指します。
通常、物件仲介において、オーナーが仲介会社へ支払う報酬は、仲介物件の1か月分の賃料が上限(宅建業法で規制されている)ですが、その仲介手数料とは別に広告費用として報酬を支払うことができることになっています。
※この広告費用の額は上限規制がないため、賃料1か月分や2か月分などを定めることも可能となります。
※ちなみにAD100は賃料1か月分、AD200は賃料2か月分を指します。
これにより、仲介会社は、仲介手数料とは別に報酬を得ることができるため、案件に対する優先度も上がりますし、借主に請求する仲介手数料を無料にして客付けを行うことも可能となります。
AD物件は、どのような物件か
オーナーにとっては、支払う費用が増加するため、ADなしで契約できるならそれに越したことはありません。
しかし、「物件の場所が郊外などで人気がない」、「空き室期間が長期化している」など物件の無収入期間を減らすためにADをつけることはあります。
借主としては、AD物件を検討する際は、「家賃が相場より高い」、「立地が悪い」、など物件に人気がない理由があるかもしれませんので、よく調べたほうが良いでしょう。
※ただし、仲介会社が「ADを付けて募集した方が良いです」とオーナーへ打診しているケースもあります。
その場合、特に上記のような理由がないこともありますので、調べてみて悪い理由が見当たらなければ、考えすぎなくても良いかと思われます。
また、AD物件であっても、仲介会社が仲介手数料を受領することは、法律上問題はないため、借主に仲介手数料の負担がある場合は、減額交渉をしてみても良いかもしれません。
今回は、賃貸住宅における「AD物件」について、紹介しました。オーナーも借主もAD物件の特徴を理解して、上手く活用、検討をしていただければと思います。
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